石垣島でのフィールドワーク(科研費研究)

沖縄

(名蔵川・中~下流域)

 自身が取得している科研費の課題(沖縄県の生物相の環境DNA解析)で、沖縄県八重山諸島の石垣島へフィールドワークに行きました。

 名蔵川・中~下流域。この水系には外来魚であるカダヤシとグッピーが両方とも生息しており、下流域ではカダヤシの環境DNAが検出されていました。今回、目視によってもカダヤシの生息を確認できました。

※外来魚カダヤシ Gambusia affinis: 他の魚類を生理的に抑圧するアレロパシー物質を水中に放出している可能性があり、科研費の分担課題でもその内容に取り組んでいます

 名蔵川・上流域。こちらでは環境DNAからグッピーを検出しており、今回、目視でもグッピーの生息を確認できました。

 上流域=グッピー、中~下流域=カダヤシという生息場所の分化については未知ですが、水流などの環境要因、捕食圧と隠れやすさなどの要因が考えられます。また、一方の種による置き換わりの途上である可能性もあります。その意味でも、石垣島・名蔵川水系は外来種拡散研究の視点から重要です。

※ 外来魚グッピー Poecilia reticulata: 南米原産の鑑賞魚として世界中に流通し、汚濁環境や遺伝的ボトルネック(近交化)にも比較的強いことから、極域を除く全大陸の温暖な水域で外来種として定着しています。沖縄でのグッピーの定着・拡散の生態メカニズムに関する研究を進めており、現在も論文を投稿中です

 宮良川・中流域。環境DNAでカダヤシを検出していましたが、今回、目視での生息は確認できませんでした。水面へのアクセスが困難な場所であるため、今後の方法を考える必要がありそうです。

 石垣ダム(バンナ岳ふもと)。水面へのアクセスが難しく、採水方法についての検討や自治体への相談・許可が要りそうです。

 宿泊先近くの石垣市民会館のそばで。夕方にきれいな虹が出現しました。

(機器センター・佐藤)

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